萩にアート文化を! 版画処 Show-in オープン 版画家 戸嶋 由香(トジマ ヨシカ)さんインタビュー

萩市に生まれ、版画家を目指し創形美術学校版画科に進学・卒業、27年と半年、その活動拠点を東京にし、数々の賞を受賞される版画家・戸嶋由香(としま よしか)さんが、先月4日、萩市土原に版画処 Show-in を開設されました。
今号の北浦うぇぶでは、戸嶋さんに帰郷、そしてShow-in 開設への思いとその経緯をインタビューしてきました。

戸嶋さん

■活動拠点を生まれ故郷に移すことを決められたのは何故でしょうか?
─学校を離れ、創作活動を続ける為に構えたアトリエは、使い勝手もよく16年間お世話になりましたが、建物の老朽化を理由に退去を求められ、次の物件を探すことに。銅版画制作に不可欠な機材はかなりの重量物で、移動設置に大変苦労させられましたが、引っ越し後は少しずつ環境を整え、再び創作活動も軌道に乗りかけたと思った頃、突然不動産を処分するので退去して欲しいと電話で告げられた時、偶然にも萩に帰省中で、これは故郷でアトリエを構える良いきっかけなのだと考えました。

■創作活動に支障はありませんか?
─元々、東京の学校へ進学すると決めた時、3年で萩へ帰ってくるのだと誓っていましたが、気が付けば長い年月を、東京を拠点に活動を続けていました。
その間、創作活動の方向性もつかめ、多方面に様々なつながりもでき、何処へ居ても活動を続けられる自信もつきましたので、支障と感じられる様な事はありませんが、強いて言えば、アトリエの改装をほぼ一人で作業しているので、ちゃんと作品に向えていない現状でしょうか。

■故郷でのアトリエを開設するにあたっての思いをお聞かせください。
─萩には浮世絵版画を多数所蔵する美術館がありますので、版画を受け入れて貰えやすい環境だろうと考えましたが、皆さん版画=木版画という強いイメージをお持ちの様ですので、浮世絵以外の木版画を含め、様々な版画作家の作品と版画技法を紹介して行ければと思います。アトリエにはギャラリーと教室を併設していますので、版画を作る楽しみと同時に、作品を飾る喜びも味わえる空間となっています。『版画処 Show-in』という屋号は『迎え入れる・導く』という意味を持ちます。

■オープニング展示企画『版画きっかけの芽吹き』についてお聞かせください。
─今回の企画は、過去に催した自身の展覧会・ワークショップ等をきっかけに、版画に興味を持たれた皆さんが、看板を上げる1年以上前から教室に通われて作り上げた力作と共に、私の作品を並べたグループ展となります。会期は4月9日(日)迄と残りわずかとなりますが、是非お気軽にお越しくださると大変嬉しく思います。

■ありがとうございました。

showin
版画処 Show-in
萩市大字土原536番地1
℡ 0838-21-7140
オープニング展示企画「版画のきっかけと芽吹き」
会期 4月9日(日)まで
営業時間 平日16時~19時/土・日・祝10時~19時
※会期中お越しになられた方に手軽な版画づくりを体験していただけます。(要・材料費500円)