童謡誕生100年 世代をつなぐ童謡コンサート ~親から子へ・子から孫へ~ 第1部シンポジウム「童謡を歌い継ぐための課題と展望」コーディナーター・山田真治さんインタビュー

来月9日(日)、萩市民館大ホールにて童謡誕生100年という節目の年を祝って、「世代をつなぐ童謡コンサート」が開催されます。
その1部に「童謡を歌い継ぐための課題と展望」を演題にしたシンポジウムが開かれ、パネリストには衆議院議員であり元文部科学大臣・河村建夫氏、至誠館大学学長・野村興兒氏、「ちいさい秋みつけた」や「めだかの学校」など数々の童謡を作曲した中田喜直氏の夫人・中田幸子さん、そして前萩市教育長(現至誠館大学監事)の中村哲夫氏と、教育関係者が席を並べます。そして、そのシンポジウムのコーディネーターを務められるのが、童謡研究家であり、指揮者、ピアニスト、音楽教育家として活躍されている松本短期大学教授・山田真治氏。
この度の北浦うぇぶでは、シンポジウムに先立ちまして、山田真治氏にインタビューをしてまいりました。

Q.1 童謡誕生100年とありますが、童謡の歴史を簡単に説明してもらえますでしょうか?
-大正7年(1918年)に文学者鈴木三重吉によって雑誌「赤い鳥」が創刊されました。それは子供たちにとって芸術的に真価のある童謡詩が必要と言うことでした。童謡の生まれる以前は唱歌の時代で文部省によって作詩者、作曲者が決められ小学唱歌として学校で歌われていましたが、しかし言葉は文語調であったりメロディーのむずかしさから多くの文学者が鈴木三重吉に賛同し沢山の童謡を書くようになりました。(野口雨情、西條八十、北原白秋、三木露風、葛原しげる 他)童謡運動は文学者から始まりましたが当時の作曲家(成田為三、草川信、山田耕筰、中山晋平、弘田龍太郎)なども一緒になり子供たちの分かる言葉で優しく楽しい歌が沢山生まれるようになりました。ラジオ、テレビ時代へと童謡が少しずつ変わっていきますが良い童謡は100年たった今でも私達の心に残っています。

Q.2 山田さんが思う童謡の素晴らしいところは何でしょうか?
-童謡の詩には子どもの心を育む力があります。童謡作曲家、中田喜直先生は生前・・・童謡を聴いて育った子どもは決して悪い大人にはならない・・・とよく言っておられました。

Q.3 昨今、童謡があまり歌われなくなった大きな要因は何だとお考えですか?
-学校の教科書から減少していること、メディアの発信が少なくなってきたこと、親が歌わなくなってきたことなどだと考えます。

Q.4 シンポジウムに向けての意気込みをお教えください。
-シンポジウムでは教育関係者、国の行政関係者、作曲家の立場からのご意見を頂くので、学会発表の論文資料とさせていただきたいと思っています。今年7月1日、日本童謡学会を私も発起人として立ち上げました。現在、理事職を任されております。そのようなことからも今回のシンポジウム、コンサートは全国に発信される予定です。日本の社会が童謡を再認識して頂く良い機会になっていただければと思っております。

Q.5 最後の質問です。山田教授は平成27年度まで至誠館大学の教壇に立ち、公開講座など地域住民との交流を図り、平成28年度には統廃合により新設された萩市立福栄小学校校歌を作曲されるなど、萩市との繫がりを濃くされてきたわけですが、萩市の素晴らしいところ、魅力などはどこにあると感じられましたか?
-街自体が博物館であり童謡が似合う街であることと、童謡の中に含まれる要素が沢山ある街だと思います。すなわち、童謡を全国に向け発信する要素を持った街であると考えます。また、そうである街だと気づいていない市民が沢山いたので、私が積極的に活動し、皆様に気付いてもらいたいと願い活動して参りました。

ありがとうございました。

童謡誕生100年 世代をつなぐ童謡コンサート
~親から子へ・子から孫へ~
開催日 12月9日(日)
時間 開場13時/開演13時30分
会場 萩市民館大ホール
入場料 1,000円

第1部 シンポジウム
第2部 童謡コンサート

主催 童謡誕生100年実行委員会
問 090・5854・5115(山田)/080・1932・7426(大草)/090・5875・0209(事務局)