連載 むつみ豚と雨女 第22回

行事、行事、仕事、行事。
一つ終わればまた一つ、秋は行事が多い。
そんな中でも一大イベントと言えば運動会。
高 3 次男は『頼むから来んでくれ、来ても声掛けんでくれ、間違っても外でトモちゃんとか呼ばんでくれ』と照れるのでこっそり行って柱の陰からそっと応援した。
むつみでは数年前から保育園・小学校・中学校の合同運動会となっている。子が多い我が家には一度に運動会が終わるので大変ありがたいことである。
運動会、悲喜こもごも。
運動の得意な子もいれば苦手な子も。料理の得意な人もいれば、ワタクシのようにできれば毎日外食したい(できんけど)人もいるわけだ。そんなワタクシにも調理師免許を持った救いの女神がおりまして、秋のサンタのごとく運動会当日、ゴージャスなお弁当を届けてくれる。ありがたや、ありがたや。
さて当日は暑すぎるほどの好天。全身黒ずくめにサングラスの怪しいほどの日焼け対策を施した雨女がウロウロ歩き回る会場。
一番の心配事は発達障害グレーゾーンの末っ子 5 歳がかけっこに参加するかどうか。彼はどうしても一番になりたいという強い思いから、負けそうになると走ることを放棄してしまうのだ。彼にとって『一番じゃなくても一生懸命頑張ればいいんだよ』は今はまだ通用しない。
結果としては走らなかったんだけどそれでも、父ちゃん&母ちゃん、ジジ&ババは今の彼を受け止める。
運動会でありながら芸術性を競う『応援合戦』心を打たれるシーンが突としてやってくる。
普段、おとなしくて声の小さいという印象の女の子が腹の底から大きな声を出して応援団長を務めている姿に、よそ様の子でありながらホロリとなってしまった。
かくして我が家の 16 回目の運動会は何とか無事終了。
あと残り10回、ワタクシ走れるのか…。