焼き菓子&クレープのお店 クローバー オーナー夫婦にインタビュー!

今年5月25日、萩市土原にオープンされた焼き菓子&クレープのお店『クローバー』さん。NEWオープンとして北浦うぇぶで紹介したかったのですが、取材をお願いするのにも気が引けるほどオープン当初から大盛況で、遅ればせながら半年経ったこの11月にやっと取材に行けました!取材に応じてくれたのは吹上義幸さんと幸絵さんのオーナー夫妻(新婚さん)です!

■早速ですがクローバーを始められるきっかけをお教えいただけますか?
(幸絵さん)-お菓子屋さんをやりたいというのが小さい頃からの私の夢で、小学校6年生ころからパティシエになろうと考えていました。高校は食品製造科がある高校に行き、卒業後は大阪あべの辻製菓専門学校に進学、その後大阪のケーキ屋さんに就職したのち、阿知須のケーキ屋さん、そして地元萩に戻り、ふたば園なないろでお菓子の支援の仕事を4年間ほどしていました。
(義幸さん)-僕はお菓子とは関係ない仕事をしていたんですが、結婚するとき幸絵から「お店を出したい」と伝えられ「それなら一緒にやるか!」と決心しました。クレープをやろうと思ったのは、お菓子屋さんって萩にも結構あるので、特色のあるものをと思ったのと、私自身が昔からクレープが好きだったからです。当初は嫁さんも「クレープ?萩で売れるん?」って、疑問をもたれてましたし、銀行さんも「クレープですか…」と好感触ではなく、だいぶ周りから反対されましたね。それでもクレープをやりたいと、昨年の12月に脱サラし、今年の1月、単身で神戸のクレープ屋さんに修行にいっていました。

■単身で修行ですか?新婚さんですよね!凄いですね!
(幸絵さん)-去年の夏、神戸に行ったとき、のちに師匠となる60代の方がされているお店をたまたま見つけて、お店のオーナーに「夫婦でお店を始めたいんですけど、主人は全く経験がなくってどうしたらいいかと悩んでるんです。」と言ったら、「なんぼでも教えるから来たらええ。」と快諾してくれたんです。私は焼き菓子を担当するということと、子どもがまだ小さいということもあり、今年の1月に主人のみ単身で神戸に行ってもらいました。当初は1ヶ月くらいを予定していたのですが、師匠が「鉄板によって全然違うから、焼き方、作り方を覚えたら、さっさと帰って、自分の鉄板でいっぱい焼いたほうがええ。」と仰ってくださり、予定より短い期間で神戸での修行を終えて帰ってきました。

■鉄板によってそんなに違うのですか?
(義幸さん)-はい。師匠のところは長年使っていて熱が伝わりにくくクローバーの鉄板より50℃ほど高くあったんです。
(幸絵さん)-ほんと師匠にはクローバー出店のためにお世話になりました。鉄板のアドバイスもそうですが、生地も独自の配合をされていて、そのお店で出されていたものの全てのレシピを譲ってくれました。生地が本当に美味しいんです!
(義幸さん)-師匠は何十年も神戸でやっているのですが、後継者がいないらしくって「自分のところの味を引き継いでくれるんだったら…」と、レシピから生地の焼き分けの技法まで全てを教えてくれました。

■生地の焼き分けって何ですか?
(義幸さん)-当店には何種類ものクレープがあり、大きく分けると、中に温かいものが入るものと冷たいものが入るものになります。そしてそれぞれに合った生地で提供していて、サクサクの生地にしたり、もっちりとした生地にしたり、同じ材料、分量でも焼き分けで食感を変えています。特に、ココアやシュガーバターなどの温かい方に分類されるクレープは、食べられた方から「フランスで食べたクレープだわ!」と言われる方が何人かおられ、萩ではもちろん、県内でも珍しいものではないかと思います。

■その話をちょっと拡げてもらいたいのですが、クローバーさんならではのクレープの特徴を教えてください!
(幸絵さん)-そもそも温かいクレープってのがほとんど無いんじゃないかなと思います。都会にいけばあるかとは思いますが…。お客さんがメニューを見て「温かいクレープって焼きたてなんですか?」と、よく聞かれるんですが、冷たいクレープの生地も焼きたてなんです。先ほど旦那が言ってたココアやシュガーバターは、サクサクで他のものとは食感が全く違います。
(義幸さん)-この2つは、師匠のところとは違ってオリジナルの焼き方をしています。あとウチの1番の目玉商品であるクリームブリュレは、中にパイ生地を入れてあって、こちらもオリジナルだと思います。
(幸絵さん)-クリームブリュレのクレープは県内にもいくつかあり、上がパリッとしているのは一緒なんですが、中が店ごとに違います。あと、季節で変わる「季節のクレープ」なども人気があります。
(義幸さん)-あと、特徴といえば、カスタード、ジャム系は出来る限り自家製を使うようにしています。

■材料にもこだわられていて、1週間に1度しか配送がなく、オープン当初は材料が切れて営業ができない日があったと聞きました。
(幸絵さん)-オープン当初は私たちの想定の範疇を超えるお客さんがきて、3日営業したら材料が切れてしまいました。
(義幸さん)-使っているクリームと生地に入ってる粉も県内ではウチしか使ってないもので、業者さんも「こんな商品があったんですね!」と驚かれていました。

■あと、思ったのはとてもリーズナブルですよね?値段設定悩まれたんじゃないですか?
(義幸さん・幸絵さん)-悩みましたね!
(義幸さん)-師匠のところが、市場に昔からある老舗で、近くに学校もあり、小さい子が小銭を握り締めて、月に1度自分の小遣いで買いに来るようなお店だったんです。その光景を見ていたので、クローバーも小さい子が来てくれるお店にできればなという思いと、子どもだけじゃなく大人の方も気軽に何回も来店できるようにと値段を設定しました。安すぎるかなとも思いましたが、常連さんになるとトッピングを2つ、3つされ、楽しまれています。この価格帯だからこそトッピングもしやすいのだろうなと思うと、安く設定して良かったなと思いました。
(幸絵さん)-クレープばかりが取り上げられていますが、こだわりの焼き菓子もあるってことをお伝えしたいです。
(義幸さん)-最近では焼き菓子の方も浸透してきました。
(幸絵さん)-焼き菓子だけ買いに来てくれるお客さんも増えてきましたし、ギフトセットをお求めになる方もおられます。

■焼き菓子のほうのこだわりをお教えください。
(幸絵さん)-美東ごぼうを使ったり、相島のさつまいもを使ったりと、できるだけ地のものを使った焼き菓子を作っています。また、こだわりと言えば、選ぶ楽しみを得てもらいたいと同じ商品でも違う形状のものを作っています。あと萩逸品(ハギッピン)コンペティション2019で受賞した萩焼の器で焼いたマドレーヌもこだわりの一品です。昔、フランスに研修旅行に行ったとき、陶器でお菓子を焼く文化がある町があり、萩も同じ陶器の町だから同じように焼き菓子を焼いたら面白いだろうなと考え商品に加えました。陶器で焼くことで熱がゆっくりと伝わり、しっとりとしたマドレーヌとなります。これら焼き菓子もリーズナブルな価格で提供しています。

■今後の展望やビジョンをお教えください。
(幸絵さん)-オープン当初から思ってたんですが、市外の方が、「あのクレープを食べに萩に行こう!」となるようなお店になれればと思っています。あと先月からイートインスペースを設けましたので、こちらの方のご利用者が増えるようPRしていきたいです。当面はこんな感じですが、長い目でみたらもっと発展させたいかな?
(義幸さん)-発展というか、今食べにきている子どもたちが、大人になって子ども産んで、子どもと一緒に食べにこれるようなお店にしたいっていうのが僕の夢です。大きくっていうよりかは地域に密接した世代をまたいでご愛好いただけるお店を目指しています。あと僕がクレープ好きで食べ歩きをしていた時に感じていたことなんですが、クレープ屋さんって男性1人では入りにくいお店が多いです。なので男性1人で気軽に入れるお店作りをしたいなと。幅広い層に愛されるお店になれればと思います。

■最後に読者の方にPRをどうぞ!
(幸絵さん)-まだ食べに来られてない方には是非食べに来ていただきたいです。リピーターになっていただいてトッピングも含め、全ての種類を食べていただき、自分だけのクレープを見つけてもらえたらなと思います。
(義幸さん)-まだ市内の方でも知られてない方もいますので、多くの方に知っていただきたいなと思います。

■ありがとうございました。

焼き菓子&クレープ クローバー

萩市土原174-3
℡ 0838・21・7307
店休日 毎週火曜・水曜、月1回ほど日曜
営業時間 11月~3月は11時~18時の冬時間(夏時間は11時~19時)/日・祝は11時~17時