今年の3月で休校になった萩市立弥富小学校。その校舎を利用し、地元住民が協力して地元産のそばを提供するお店「そば処 龍の里 やどみ」が、この１２月１日にオープンしました！この号の北浦うぇぶでは、「そば処 龍の里 やどみ」の代表である奥山明さんにお話しをきいてきました。
■弥富地区の特産品といえば「そば」というイメージがありますが、そばの生産は古くからあったのでしょうか？
-弥富地区でそばの作付けが本格的に始まったのは２０年ほど前からです。それから「弥富そば生産組合」を中心に、そばの栽培や加工品の生産を行いつつ、「弥富むらおこし会」では毎年10月に「手作りそばの花まつり」を開催するなど、地域を挙げてそばによる地域振興に取り組み、数年前くらいから弥富＝そばというイメージが定着してしてきたように思えます。
■２０年前からだったんですね！そう考えると今までお店がなかったことが不思議に思えますが…。
-当初は10年後くらいに地元にそば屋を創りたいという思いは弥富地区住民にありましたが、人口減少・少子高齢化が進み、なかなか実現には至りませんでした。
■そのような地域社会現象の中、休校の校舎を利活用したそば屋を創られました。きっかけは弥富小学校の休校なのでしょうか？
-弥富小学校の休校がきっかけというより、一番大きなきっかけは、平成３０年度から萩市の施策としてスタートした地域振興計画「夢プラン」作りに弥富地区を含む須佐地域で取り組んだことにあります。
■萩市の各々の地域が持つ特色を再確認し、その特色を生かした地域振興の中期計画を各地域で作り取り組んでいこうという施策ですね。昨年度は弥富地区を含む須佐地域の他に３地域１地区がワークショップを開催し「夢プラン」が策定されました。須佐地域のワークショップではどのような話がでましたか？
-空き家の有効活用を、とか交流人口を増やすために、人が集まりやすいイベントを開いていこうなどなど、いくつか提案がありました。その中でも20年来取り組んできた弥富そばでの地域振興をより発展させるため、そば飲食店を創出し、それに伴ってこれまで取り組んできたそば加工品の販路拡大と生産者の所得向上を目指すという計画があり、その後、弥富地区在住の夢プラン策定委員を中心に、そば飲食店の実施に向けた協議を継続してきました。
■なるほど。弥富小学校の利活用は後からの話なんですね。
-そうですね。場所については新築も含めいくつか案がありました。その中で平成31年3月に休校となる弥富小学校校舎を活用することができないかという話もあり、教育委員会に相談し、検討を進めました。3月28日には、弥富地区住民説明会を開催し、小学校の活用について地元の同意を得て、夢プラン策定委員や地元の有志でそば飲食店開設に向けての具体的計画を協議していきました。そして、６月に行われた萩市議会定例会で、弥富小学校でのそば飲食店設立に向けた改修工事等の補正予算が計上され、承認を得て着工。そうして、この１２月１日にオープンすることができました。
■店名にある「龍の里」は、弥富に伝わる龍神伝説からだと思いますが、何故「龍の里」なのか詳しくお教えください。
-昨年萩ジオパークが日本ジオパーク認定に認定されました。その萩ジオパークのなかで弥富地区には約４０万年前、伊良尾火山から流れ出た溶岩の流路が龍に似ていることから龍神伝説が語り継がれ、この地を「龍が通った道」と名付けられました。このような弥富の大地で育ったそばを弥富に訪れて食していただき、ジオパーク活動の一つとして定着できればと思い、店名を龍の里にしました。
■それでは、弥富そばの特色を教えてください。また製造、提供するにあたってのこだわりをお教えください。
-弥富のそばは、風味とねばりが強く、のど越しの良い「会津のかおり」という品種を栽培しています。それを機械ではなく、石臼で製粉し、火山層をろ過した良質なミネラル軟水である伊良尾山湧水だけを加え、十割で打っています。味と香りだけでなく、舌触りも楽しんでいただきたいです。あと、メニューは、そばそのものを味わっていただきたいので、「かけ」と「ざる」の２種類だけ用意しています。どちらとも800円で、値段だけみると高く感じられるかもしれませんが、量は一般のそば屋さんの大盛分ぐらいございますので、十分満足いただけると思います。
■最後に読者の方にPRをどうぞ。
-龍の里 やどみに、そばを食べに訪れていただき、その足で「畳ヶ淵」や「猿屋の瀧」など、萩ジオパークの見どころと言える場所を楽しんでもらえればと思います。また、弥富には、モチムギやこんにゃくなど、そば以外の名産品もありますので、是非お買い上げいただきたいです。
■ありがとうございました。
そば処 龍の里 やどみ
萩市大字弥富下4083-1 弥富小学校舎内
営業日 土・日・祝
営業時間 11時～15時
☎ 08387-8-2044