連載 福岡で暮らす萩LOVEパパの子育て記 第21回

新年あけましておめでとうございます。年始に帰省し「どんどん」詣で。注文後、着席より先にうどんが出てくる、この脅威のオペレーションスピードはお世辞抜きで世界レベルだと思います。肉天うどん充電完了。今年もよろしくお願いします。
お姉ちゃんは6年生3学期。自宅玄関で始めた松陰先生のことば朗誦も、いよいよ最後の一節です。

今日という日は二度と来ない。この人生も一度きり。心を磨いて、いのちをくれた天地への恩を返し、行動を磨いて、育んでくれた親と主君への恩を返す。それを成し遂げるまでは、一瞬も無駄にできない。
これを書いた当時、松陰先生は27歳。黒船密航失敗のあと、野山獄を経て、自宅謹慎の幽室。ここから松下村塾がはじまり、たった2年間足らずで維新の志士たちを育て上げます。一瞬も無駄にせずに。
朝日が昇ったと思えば、あっという間に夕暮れ、新年、くる年はあっという間にゆく年に暮れていきます。自分の仕事で為すべきことを考えれば、一瞬たりとも無駄にはできません。遅く帰宅した寝室で、スヤスヤ眠る娘の顔を見ていると、これも二度とは来ない一瞬なのだと感じます。里帰りすれば幸いにも元気な親が出迎えてくれますが、それも永遠ではないことを想えば、何気ない一言二言も、かけがえのない一瞬です。気が焦るばかりで特別なことはできないけれど、ふと心立ち止まってこの一瞬のありがたさを考える、せめてそれだけでも…と、この言葉を清書しながら思いました。
3学期初日の朝、はじめての言葉をたどたどしく朗誦して「いってきます」と娘の声。パパはシャワーを浴びてる途中だったから言えなかったよ。「いってらっしゃい。今朝も幸せな一瞬をありがとう」  萩の皆さんの1年が、すばらしい一瞬で彩られますように。萩を離れている僕たち出身者も、それぞれの持ち場でがんばります。