連載 むつみ豚と雨女 第29回

やりたくない事、やらねばならない事をを後回しにする。ついスマホ触ったり漫画読んだりメダカの水槽の掃除をしたり。後回しにして失うもの、時間と信頼。そして心に積もっていく焦りと罪悪感。実際にやり始めると案外すぐ終わる。ありがちですね。

アレをやらねばいけん。一年で一番嫌いな決算及び棚卸し。会社を経営する以上、決算をして財務状況を内外に明らかにしていく必要がある。その作業を税理士さんにお願いしつつも、各種書類を揃えたり、棚卸しをしたりはうちの仕事。
棚卸しではあらゆるものを数えるんですよ。元気にピギィピギィ動き回っている子豚から精肉になって冷凍倉庫で眠っている豚肉まで。生体は月齢別に何頭いるかこまか~く社長が数える。ワタクシは各店舗にどのくらい精肉があるか足を運んで数える。

『本日、棚卸しのため午後休業いたします』とか張り紙してみた~い。なかなかそうもいかんけど。
張り紙と言えば、創業 27 年、結婚して十数年、ついに直売所に張ってみた。『土曜午後・祝日午後・日曜 定休日です』
長いこと年中無休で商売してきた。土日じゃないと直売所に行けないというお客様がいることもわかっているからなんとか対応してきたけど、もう少し会社側の都合を通してもいいんじゃないかと考えて。

これもひとつの働き方改革ですかね。
零細企業経営者側からみた働き方改革とは、実際のところ経営者を苦しめるためにあるんじゃないか、などと憤ってみたりもした。しかし、少人数で仕事をこなす零細企業にとって、人材の確保は重要かつ緊急な課題である。従業員さんの『幸福度』を上げることが生産性の向上、すなわち経営者の幸福度向上のつながるのではなかろうか。
そんなわけで、弊社山奥直売所は定休日を設けました。ど~しても定休日に来店されたい方、小野養豚HPよりご連絡されたし。

小野養豚HP