連載 福岡で暮らす萩LOVEパパの子育て記 第22回

今日も、いつか大人になった我が子が何かの拍子でこのコラムを読んでくれる日を想いつつ、筆をとります。
ハル、この春にはもう4年生やな。共働きでパパもママも家に帰ってくるのが遅いから、いつのまにか放課後は自分だけで過ごせるようになって。まあ、パパもその頃には友達と自転車で指月山に行って木の枝で弓矢を作ったりして暗くなるまで遊んでたけど、ここは福岡。そう近くに自然もなく危険も多いから、自然と習い事が増えたよな。公文・剣道・サッカー・ピアノ・器楽と。全く統一感のない習い事をさせてる理由は、毎朝玄関で朗誦してる3学期の松陰先生の言葉に書いてあるよ。

人間、必ず1つ2つの才能を持っているから、皆が集まって各々良いところを伸ばし足りないところを補完し合えば、全てが備わった最強の集団ができる、と。松陰先生は野山獄という牢屋の中で過ごしていた罪人一人一人の才能を引き出し、称え合い、教え合った。松下村塾に集まった若者たちの長所を見出して伸ばし合った。その一人一人が自分の才能を自覚し、役割を果たしてバトンをつないで、明治維新まで駆け上り、その後も新国家建設の役割を果たしていった。
ハルが持っている能力や感性を、松陰先生のように見抜くことができたらいいんだけど、パパにはまだわからない。だから今パパが父親として果たすべき役割は、それを自由に試せるだけの機会と資金をつくることだと思ってがんばってます。見出した才能で、誰かの弱点を補完できる男になってほしいからさ。だからさ、公文の先生から「ハル君、今日来なかったんですけど?」なんて電話がかかってくることが二度無いように、よろしく頼んどくぞ。