映画「かぞくわり」萩ツインシネマ上映中!監督・塩崎祥平さんインタビュー!

母親役に竹下景子さん、父親役に小日向文世さんと有名な俳優が出演し、家族を題材にした映画「かぞくわり」が3月14日から3週間ほど萩ツインシネマで上映されています。この度の北浦うぇぶでは、その「かぞくわり」の監督・塩崎祥平さんにお会いし、お話を聞いてきました。

■萩で上映することとなったきっかけをお聞かせください。
-映画「かぞくわり」は、家族をテーマにした映画で、制作時、夫婦・家族問題のカウンセラーをされている結婚教育研究家の棚橋美枝子さんに脚本を監修してもらっていました。その棚橋さんが萩市在住のメンタルトレーナー・馬場真一さんとお知り合いだったことから、大阪上映のとき、馬場さんにお越しいただきトークイベントでご一緒させていただきました。そして、丁度その頃、萩ツインシネマの投影機が故障し、映画館の存続をかけ、クラウドファンディングで投影機購入費の一部を調達しているという話を馬場さんから聞き、私も心ばかりの支援させていただきました。また、私たちのような独立系映画を製作するものにとっても、町の映画館の存続は、映画文化を守っていくためにもとても重要なことで、萩ツインシネマでも是非上映させていただきたいなと強く思いました。馬場さんをはじめ萩の方々のご協力を得て、上映させていただくこととなりました。

■「独立系映画」「町の映画館」「映画文化」というキーワードが出ました。萩ツインシネマのような地方のミニシアターが立たされている現状や、これからの存続に、この度の映画「かぞくわり」の上映が凄く関係しているような気がします。
-そうだと思います。日本の映画界って、とても独特なんです。というのも、アメリカでも、ヨーロッパでも、シネコンじゃないミニシアターはどこの町にも当たり前に存在し、ミニシアターでの上映がメインの独立資本系の映画も映画ファンにとってはとても大切なエンターテインメントだと認識されています。だからこそ、ミニシアターに通わないと、ミニシアターも無くなりますし、上映される場所がなくなってしまうと、独立資本系の映画が製作されなくなります。映画ファンも、映画文化のそのような側面を支えているという自覚もあるんです。しかしながら、日本は違います。配給会社がイニシアティブを握り、広告費をかけ、大きな興行収入を見込めるものばかりに目を向けられています。そして、それはキャスティングや脚本にも影響を与えてしまい、クリエイティブや芸術性が縛られてしまうこともあります。何故そんなことになったかと考えると、戦後、日本はTV業界を中心としたエンターテインメントの流れがとても大きく、スピーディで、エンターテインメントについて、文化について、ゆっくり考える時間がなかったからだと思います。もちろん、時代が変われば、新しい何かは生まれるし、古い何かは衰退したり、消滅したりするものですが、演劇の舞台がそうであるように、映画も必ず残っていくエンターテインメントなはずなのです。ただ、残り方や残し方を考えなくてはならないのに、考える時間を与えてもらえない国になっているんですよね。とはいえ、都市部に行けば、ミニシアターはあり(海外と比べると数は減ってきていますが)、私たちが製作するような独立資本系の映画が満員御礼になるなんてことは珍しいことではありません。でも、私が住む町(奈良県大和郡山市:人口84,650人)には、もうミニシアターはありません。無くなってしまってはじめて、取り戻すことができない文化を手放してしまったことに気付かされます。残さないといけないものは、まだ存在しているうちに残し方を考えておかなければ、取り返しのつかないことになってしまいます。その点、この萩には萩ツインシネマがまだ残っている。「かぞくわり」を上映させてもらうことによって、シネコンでは上映されない映画もあるんだということを知ってもらい、町全体で映画文化の残し方を考えてもらえればなと思います。

■ふと思ったのですが、映画「かぞくわり」では小日向さんや竹下景子さんが出演され、前作の「茜色の約束 サンバ do 金魚」には中村獅童さん、三倉佳奈さんが出演されています。先ほど仰っておられたことに凄く関係すると思うのですが、俳優の方々も、独立資本系の映画の価値、ミニシアターの価値を感じられているということですよね?
-まさしくその通りです。メジャーの俳優になればなるほど、世間のイメージが固まっていることも多々あり、脚本やキャスティングも、世間のイメージ通り構成されやすいものです。でも、俳優さんも演技の幅を広げたいと思われていたり、こんな役をやってみたいと望まれることは必ずあります。この度の「かぞくわり」では、皆さんが知っているような、イメージしているような竹下景子さん像ではないですし、小日向さんには「自由に、思い描く通りに演じてください。」と伝えていましたので、とても楽しんでおられました。でも、当たり前ながら、俳優さんも食べていかなくてはならず、自身がやりたい役ではなく、同じような役を演じる機会のほうが多いのです。だからこそ、独立資本系の映画が担っている映画文化を守らなくてはと考えていただける俳優さんも少なくありません。

■そうお聞きすると、小日向さんや竹下さんの演技に関心を寄せてしまいますが、北浦うぇぶ読者のために軽く内容をお教えいただけますか?またPRすることがありましたらどうぞ。
-大きなテーマは「家族」です。夫婦、親子、兄弟(姉妹)、親戚という関係の中で、起こりうる問題などを題材にしながらも、文明、文化…、人が生活を営む中で、どの時代にも存在するもの、新しく生まれるもの、消え去るもの、そして残していかなければならないもの、残っていくもの、それらと向き合う内容になっています。舞台となっているのは奈良県ですが、全国どこに住んでいても共感できるものだと思います。ただ、哲学的、神秘的な難しい話も盛り込んでいるので「よくわからいな…。」という場面もあるかと思いますので、是非、家族連れでご覧いただき、見終わったあとに「お父さんはあそこの意味が解らなかった。」「お母さんはこう受け止めたわ。」「私はこう思った。」というように、家族で語り合ってもらえたらなと思います。

■ありがとうございました。

映画「かぞくわり」萩ツインシネマ上映スケジュール

上映期間 3月14日(金)~4月3日(土)
上映時間 期間中10時~、14時~、19時~

※館内での新型コロナウィルス感染拡大対策については、萩ツインシネマでご確認ください。

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