連載 むつみ豚と雨女vol.33

『むつみ豚と雨菜の花が咲きほこり、むつみはすっかり春。
例年なら『むつみ菜の花まつり』に向け準備にとりかかる時期ではあるが、いつ中止になるかわからぬ情勢ゆえに、おまつり用にむつみ豚ソーセージ80パック発注した後に中止になったらと思うと準備もためらわれる。

若さと時間を持て余した次男坊とそのお友達数名、春の陽気に誘われてネムの丘にハイキングに出かける。皆それぞれ進路は違えど互いを肯定し合い、共に高校生活を送ってきた。よそ様の子はなぜあんなに立派で頼もしく見えるのだろう。

新型コロナの影響を小野養豚もモロに受けている。ある意味、仕事量に余裕があると言えよう。そんな時こそ各店舗、丁寧に分析し陳列やセレクトを変えてみよう。売り場でごそごそしているといろいろなタイプのお客様に出くわす。納品前のコンテナから商品を引っ張りだす方、唐突に世間話をされる方、ワタクシが陳列する姿をじぃ~っと見ている方、何故か手伝おうとする方。

新型コロナの影響がいつまで続くのか、はたして子らは無事に新学期を迎えることができるのか、次男坊は不合格から立ち直れるのか。

そんな閉塞感の真っ只中の3/21、小野養豚に一筋の光。むつみ豚を生むお母さん豚を生むお母さん豚が誕生したのだ。実に5年ぶり。はてさて、どういうこと?ですよね。つまり、皆さんに食べていただくむつみ豚のおばあちゃんになる豚が誕生したというわけ。しかも一度に21頭生まれるという数年に一度のウルトラ産子数。おばあちゃんが増えればお母さんが増え、むつみ豚を安定して皆様の食卓へお届けできるのだ。養豚の神様はワタクシを見捨ててはいなかった。ありがとう神様、まだまだ挑戦せよということですね。一層、精進いたします。