連載 わんにゃんHAGI 第18回

『犬猫のノミダニ予防は何故必要?』

犬猫がノミダニに刺された場合、痒みを伴い皮膚炎になるのは勿論、それがアレルギー化したり、傷から細菌への二次感染により、皮膚が化膿する事もあります。
また、瓜実条虫の幼虫が寄生しているノミダニを、毛繕いの際に経口摂取して、腸の中で成虫になると腸炎を起こし、下痢や嘔吐します。
また、2011年に初めて原因ウィルスが特定されたSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、マダニが媒介する新しい感染症で、マダニから直接刺された場合は勿論、刺されて感染した犬猫から人への感染例も多くあります。
山口県内では、野良猫を捕獲しようとした五十代の女性が噛みつかれて感染し、10日後に死亡。
また、宮崎の動物病院で、感染している猫の皮膚点滴の際に出血、これを止血処理した獣医師と看護師に感染、体液からも感染した例です。
一定の潜伏期間の後、発熱・下痢・嘔吐などが起こり、重症化すると死亡する事もあり、死亡率が20%と比較的高く、治療薬やワクチンも無いので、感染予防が大事です。
小さなノミダニくらい…と軽く考えず、毎月のノミダニ予防をきちんと行う事が、愛犬愛猫の健康だけでなく、飼い主自身の健康にも影響する事を忘れないでほしいと思います。(佐島)