新連載コラム 『むつみ豚と雨女』

養豚場で働き出して15年。
跡取り息子になぜか見初められて12年。
萩地域唯一の養豚場(有)小野養豚。標高約270m。むつみの山奥のさらに山奥で現在、約1500頭のむつみ豚を飼育中。
社長である夫がむつみ豚生産育成部門を担当し、ワタクシは精肉販売部門を担当している。家族経営の職場ではあるが、仕事中は夫と顔を合わせる事もなく自分の仕事に邁進する。
ひと、いきもの、自然相手の商売ゆえ思い通りにならない事だらけ。台風で農場の屋根が一夜にして吹っ飛ぶ、せっかく生まれた仔豚の命が消えてしまう、お客様からのお叱り。幼少の頃より滅多に泣かないワタクシも、くやし涙で枕を濡らす夜もあった。今もあるけど。
座右の銘は『やるときはやる女』
毎日が戦闘モードなわけではない。普段どちらかと言えばマイペースに仕事をしている。しかし、ここ一番の勝負どころ!仕事でもプライベートでもやらねばならないときには全力で立ち向かうのだ。結果、返り討ちにあう事もしばしば。
畜産業は年中無休。分娩があれば24時間体制だ。万年人手不足で体力的にもキツい。しかしそんな中にも喜びは沢山ある。『離れて暮らす家族にむつみ豚を送りたい』『ここの豚肉しか食べない』『月一、あなたの(僭越ながらワタクシ)の顔が見たい』などなどお客様の声。息子曰く、自意識過剰な勘違いおばさんなので、お褒めの言葉はどんな栄養ドリンクよりも効く。
年中無休ゆえ、切り替えが肝心。ワタクシは晩酌と野球観戦を趣味としているので日本シリーズが終わってしまうとなんとも寂しい晩酌になる。シーズンオフに野球に代わる新たな趣味を模索中。今、注目してるのはドローン。基本的にインドアなワタクシ。ドローン片手に野山を駆け回る日は来るのだろうか!シーズンオフにご期待ください。最強の雨女ですけどね