萩市の観光コンテンツの一つとして、JR東萩駅利用者が一息つける場所として、地域住民が気軽に通える飲食店として、そば処お成り道オープン! 店主・岡野満さんインタビュー!

今年1月11日(土)、JR東萩駅斜め前の萩ロイヤルインテリジェンスホテル1階にオープンした「そば処お成り道」。同ホテルが採択を受けた観光庁の「地域一体となった観光地の再生・観光サービスの高付加価値化事業」によるホテル1階の大幅リニューアルの一環として構えられた蕎麦専門店です。この度の北浦うぇぶでは、店主の岡野満さんにお話しを聞いてきました。

■先ずは、岡野さんの経歴といいますか、そば処お成り道のオープンに至るまでをお聞かせください。
-経歴を話しするととても長くなるので、そば処お成り道の店主になることに関係しているところだけをお伝えしますね。萩市に生まれ育ち、高校は奈古高校須佐分校に通っていました。高校卒業後はスーパーの調理場で勤め、その後いくつか職を変え、住む場所を変え、蕎麦と直接関係するようになったのは、島根県津和野町の地域おこし協力隊に就いたのがきっかけとなります。その時で出会ったのが同じく島根県邑南町の協力隊に就かれていた方で、その方から邑南町で事業を立ち上げるので一緒にやりませんかと声をかけていただき、協力隊の任期を終えたのちに、邑南町に移住し、合同会社の立ち上げメンバーとなり、事業の一つである蕎麦屋をやっていました。そこで蕎麦と出会い、須佐分校に通っていたこともあり、知人を辿って萩の蕎麦の生産地である弥富の方々との交流を持つようになりました。そうして昨年10月、邑南町の合同会社を退社した後、弥富のそば屋「龍の里やどみ」に蕎麦を食べに行ったとき、知人に「萩ロイヤルインテリジェントホテルで蕎麦屋をやってくれる人を探しているからやってみたら?」と勧められ、ホテルの社長さんを紹介してもらったことから、とんとん拍子に話が進んだという感じです。

■提供される蕎麦についてお聞かせください。
-十割蕎麦を提供しています。十割にこだわっているわけではないのですが、今まで十割でしか作ったことないので十割でやらせてもらっています。蕎麦粉は、弥富で生産される蕎麦「会津のかおり」をメインに使っています。しかしながら、弥富の蕎麦畑の生産量にも限りがありますので、三瓶在来種や日光在来種などをブレンドしています。在来種は粒が小さく量は取れませんが、香りが強く深みのある濃い味わいを持ちます。製粉は、蕎麦本来の風味を失わないよう石臼機を使って低速で時間をかけ行っています。出汁の方は、オーソドックスに厚削りの鰹節、宗田節、鯖節と昆布を使い、甘味が強くない東日本寄りの醤油で作ったかえしと合せて、麺つゆにしています。「蕎麦といえば、もりそば」と言われる方も居られますが、当店では「かけそば」も提供しています。メニューの方は、きつねそば、たぬきそば、かき揚げそば、にしんそば、鴨南蛮そばなどなど、14種類のそばメニューを用意しています。また、ご飯ものでは現在、津和野町で獲れるわさびを使ったわさび飯、とろろ飯、カツ丼、天丼を提供しています。あと、特筆するものではないとは思いますが、蕎麦湯を飲み放題としています。通常の蕎麦屋では麺を茹でた時に出る蕎麦湯を提供するものですが、当店では、飲み放題にしているため、茹で汁だけでは足らず、蕎麦湯用に蕎麦粉を使って作っています。

■オープンして1ヶ月が経ちますが、感触はいかがですか?
-40席ある広い店舗ですが、券売機がまだ届いておらず、しかもワンオペ。一挙にお客さんが押し寄せても提供が遅くなるだけですので、先ずは、宣伝もせず、ホテルに宿泊されるお客さん向けに細々とやっていこうと考えてます。しかしながら、先日から、地元ローカル紙に取り上げていただき、地元のお客さんも増えてきて、とても有難い事なのですが、団体でお越しになられると、100%のサービスを提供するのが難しい状態です。ですので、北浦うぇぶさんに掲載されることも、嬉しさより不安の方が勝っています。

■この広さでワンオペは、かなり無理があるかと思います。券売機が届いたとてホールスタッフは一人欲しいところですね。
-いえ、求めているのはホールスタッフではなく調理補助の方になります。イメージしているのは、蕎麦で町おこしをしている広島県北広島町の豊平にあるどんぐり庵でやっているようなセルフサービスの蕎麦屋です。食券を買ってもらったら厨房のカウンターに出していただき、調理を終えたら番号でご案内する形ですね。

■なるほど。サービスエリアなどのフードコートにあるスタイルのやつですね。それでは、今後の展望をお聞かせください。
-券売機が届き、調理補助スタッフを見つけることができましたが、地域内外の人に少しずつ認知してもらえるようにしたいと思います。価格も安くしていますので、観光客や出張で来られる方だけでなく、地元の方が昼食に、夕食に気軽に通えるお店でもあります。今はまだオンメニューできていませんが、ゆくゆくは、2.3種類の蕎麦前や天ぷら御膳を提供し、GI萩の日本酒飲み比べセット一緒に楽しんでもらえるようにしていきます。
また、旅行先では必ず蕎麦を食べるという蕎麦好きの方にもお越しいただきたいです。邑南町でやっていたときは、広島県、岡山県、山口県から蕎麦を求めて来られる方も多く、観光のついででもいいですし、蕎麦のついでに観光するという方も増えてほしいです。萩市はうどんのイメージが強いですが、実はうどん屋より蕎麦屋のわずかながら数の方が多いので、「今回は、ここの蕎麦を食べたけど、次回はあそこの蕎麦を食べに行こう」というようになれたらなと思います。また、JR東萩駅の目の前でありながらコンビニ空白地でもありますので、電車待ち、バス待ちの学生さんにも利用できるよう、テイクアウトもできる喫茶メニューも提供しようと考えています。それと、愛知県で住んでいたときもあり、愛知県の特有のモーニングセットの素晴らしさを体験していた身としては、同じようなモーニングサービスも展開したいなとも考えています。こちらは、調理補助が見つかればという話ではなく、私の体がもつようならやりたいなというくらいです。あと…、ホテルの社長さんから「蒸気まんじゅうを焼く設備もあるから蒸気まんじゅうもやってほしい」と言われていまして、こちらも様子を見て始めていきたいと思います。

■ありがとうございました。北浦うぇぶの反響は大きいと聞きますので、それまでに券売機が届き、調理補助の方を見つけてもらえればと思います。

そば処お成り道
萩市椿東3000-5 萩ロイヤルインテリジェントホテル1F
℡ 0838-58-7211
営業時間 11時~15時/17時~21時(20時30分オーダーストップ)
定休日:水曜日