連載 コラム『むつみ豚と雨女』 第2回

『台所はワタクシの城』ではない。料理がキライだからね(苦手とは言ってない)
では、ワタクシの城はどこにあるのだろうか。 ただ今、小野養豚では社屋建築中。11月末には完成予定。その一角にワタクシの城となる事務所がある。この一年、社屋建築に向けて奮闘してきた。工務店探しに始まり、資金繰り、契約、間取り決め、外装内装などなど。弊社社長はまことに寛大で、その全てをワタクシに一任してくれた。ワタクシは社運をかけて事に当たる。 ワタクシと同じく巳年でO型の建築士さんと侃侃諤諤とやり合ってついにあともう半月で完成というところまでこぎつけたのだ。
普段あまり悩まずに決断できる。外装はスパッと決まった。問題は内装だ。イメージを実際に色や形にするのは想像以上に難しい。にわか色彩学、風水、ゲッターズ飯田の五星三心、果ては動物占いまで駆使し壁板の色、壁紙クロス、ブラインド等を決める。こんなにエネルギーを使う作業とは…。正直なところ、悩みすぎて体重が落ち、途中でもう投げ出したくなるときもあった。
葛藤もあった。ワタクシの城となる事務所なのだから自分の好きなようにデザインや色を決めよう。いやしかし、裏を返せばこの事務所に来られるお客様のことを考 えていないただの自己満足なのではなかろうか…。
ここまでの過程を大変寛大に見守ってきたうちの社長。
『ところで、社長は何か要望はないのですか?』と問いかけてみたところ、『天井でクルクル回る扇風機みた いなの(シーリングファンと言うらしい)が欲しい』と遠慮がちに、なおかつ、どうせ俺の意見なんて通らないんでしょという目で訴えてくる。『えっ…それいる?」 と思いつつも社長以上に寛大なワタクシは『もちろん!OK』と二つ返事で了承。
そんなこんなで11月末完成予定の小野養豚社屋。雨女なんで地鎮祭も上棟祭も当然悪天候。ワタクシが心血を注いだ社屋がどうしても気になる方、むつみの山奥までお越しくださいませ。