連載 コラム『むつみ豚と雨女』 第7回

第68回萩市駅伝の前日、反抗期真っ盛りのかわいいかわいい高校二年生の次男坊が熱を出した。
嫌な予感。すでに診察時間が過ぎていたので夜間当番院を探して連れて行く。
検査の結果、インフルエンザA型。おお〜マジか。
この次男坊、去年の萩市駅伝前日もインフルエンザ発症。その前の旭駅伝前日は胃腸炎発症。その前のむつみ縦走駅伝前日も胃腸炎発症。
『俺はアンカーなんだ!這ってでも行くぜ!ハアハア…』『アホなことを言うんじゃない!インフルエンザでも頑張ったって誰も褒めてはくれん。はっきり言って迷惑だ!』顧問の先生にも諭され、泣く泣く諦める次男坊。まてよ、来年のこの日はセンター試験じゃないか。幼少の頃よりここ一番に弱い男。ああママ心配。
病院への道すがら、ワタクシの頭の中は明日からの仕事のスケジュールの変更と組み立てでいっぱいになる。来週、出張が一件入ってたな…打ち合わせも二件入ってたな…
高校二年生なので一人で安静にできるわけだが、妹弟にうつった場合はどうしようかなどとアレコレ思考を巡らす。『子供がインフルエンザなんで一週間仕事休みます』なんて誰に気兼ねすることもなく言えるのが理想だがなかなか現実はそうもいかない。
一番感染したら困るのは誰か?うちの社長である。社長が倒れたらたちまち仕事が回らなくなる。誰がむつみ豚にエサをやるんだ。とりあえずのところ、社長を実家のお母様のところへ避難させる。たまにはオフクロの味もよかろう。
翌朝、次男坊も落ち着いていたので実家にいる社長に着替えを持って行くと、酎ハイの空き缶、栄養ドリンクの瓶、おつまみの袋、自宅では臭いがキツイのでワタクシが禁止にしているピ◯ポテトの空き袋を発見!社長、そんなにピ◯ポテトが食べたかったのね。