連載 福岡で暮らす萩LOVEパパの子育て記 第18回

大人になった我が子が何かの拍子にこのコラムを読んでくれればと、今回も筆をとります。
にこちゃん、6年生の夏休み。スマホではなくキッズケータイを買いました。ほんとうはスマホが欲しかったのに、我慢してくれてありがとう。すごい速さで、お友達がスマホを持ち始めたね。パパも驚きと迷いの中にいます。 「これからはデジタルの時代なのだから、早くから慣れ親しんだほうがいい」…インターネットの仕事をしているパパだから、この考え方はよく理解できます。だけどパパには大学で勉強した別の考え方があって、まだスマホを渡さないことにしました。それは脳の発育についてです。
脳は、赤ちゃんから大人になるまで、ひとつひとつ順番・ステップを踏んで、育っていきます。ものごとを理解し、自分と相手の感情を感じとり、言葉や行動で表現できるようになっていきます。その発育のステップとスピードは、人間が何十万年という時間をかけて進化する中で作りあげられたカレンダーであり、急には変更できない、絶対的なカレンダーです。
11歳の脳に対処できること、逆に対処できずに暴走してしまうことがあります。スマホは、特にゲームとSNSは、後者だとパパは判断しました。どちらもとても面白いです。だから、ずっとやりたくなってしまいます。パパの時代のファミコンはテレビがないとできなかったけど、スマホではいつでもどこでも始められてしまいます。その欲求にブレーキをかける能力は、11歳の脳にはまだ備わっていません。その暴走は、これから12歳、13歳と予定されている健全な脳の発育を狂わせてしまう、と判断しました。
スマホ誕生から10年。ほんの数年で革命を繰り返す技術進化のカレンダーと、数十万年かけてつくられた発育のカレンダーの「ずれ」が生む葛藤を前に、2019年、にこちゃん小6の夏。パパは悩みながら判断しています。