2017年11月に発足し、昨年2018シーズンより太陽ウィメンズセブンズシリーズ(女子7人制ラグビー大会)に参戦する ながとブルーエンジェルズ(一般財団法人ながとスポーツ財団運営)。2シーズン目となる今年、見事ウィメンズシリーズの総合優勝を手にされました。その活躍は、各種メディアだけでなく、この北浦うぇぶの人気コラム『OPあつしの徒然コラム』でも紹介されていて、北浦の皆さんもご存知のところ!
この度の北浦うぇぶでは、メディアに露出の高い選手ではなく、選手の活躍を影で支えるスタッフからハイパフォーマンスディレクターの村杉徐司さんにインタビューしてきました。
■太陽生命ウィンメンズセブンズシリーズ2019の総合優勝おめでとうございました。
-ありがとうございます。
■村杉さんのご出身とラグビー経歴をお聞かせください。
-はい。出身は東京です。ラグビーは高校から始めて、千葉県の明海大学で2年生までやっていました。その後、2年ほどニュージーランドでラグビーをし、日本に帰国してからは清水建設のラグビーでやっていました。
■ながとブルーエンジェルズのハイパフォーマンスディレクターに就かれるきっかけは何だったのでしょうか?
-長門に来る前は、ラガールセブンという女子ラグビーのパイオニアとも言えるチームでヘッドコーチをしていました。当時、そのチームで一緒にやっていた監督が元日本代表選手でもあり現在神戸製鋼コベルコスティーラーズのアドバイザーをされている増保輝則さんで。増保さんから「山口県の長門市で女子ラグビーのチームが発足するが、オマエちょっと行ってみてたらないか?」と言われたのがきっかけです。
■迷われましたか?
-はい。当時は、チームでやっていましたし、会社も運営していましたので悩みましたね。当初は立ち上げだけ協力するアドバイザーみたいな感じで携わろうと考え、長門に移住するつもりはありませんでした。しかしながら、選手のリクルートは私の仕事でしたので、未開の地「ながと」に若い子を送り込んで、送り込んだ本人は来ないのは如何なものかと、私も移住することを決めました。
■話は変わりますが女子7人制ラグビーの魅力をお教えください。
-たぶんシロウトの方が観戦していると、15人制ラグビーより単純で解りやすいと思います。1人1人がボールを持って勝負する、ステップを屈指しながら相手選手を抜いていくところは15人制でも盛り上がる場面で、そんな華やかなシーンが多いのが特徴です。また、ゲーム時間も前半7分、後半7分と短く、言い方は悪いかもしれませんが、観戦しててグダグダ感がないというか、スピーディで展開も速いところが魅力かと思います。もちろんコンタクトの部分がありますが、15人制のようにモールの時間は長くなく、躍動感溢れていると思います。
■優勝を決めた今年の話を聞く前に、初年度である2018シーズンの話をお聞かせください。
-初年度は準備期間が短かかったです。太陽生命シリーズの1戦目の2週間前にやっと全選手が揃って練習ができるって状況でしたので、ほとんど連携もコミュニケーションも取れないまま大会に臨みました。そのため、日本人と外国人の間で言葉の壁だったり、文化の違いなどのギャップを埋めることができず、チームとしてあまり良い方向に行かず、良い成績を残せなかったです。
■それでも2年目にして総合優勝されました。振り返ってみていかがですか?
-今年は去年の反省を活かして、開幕する2ヶ月前から全員集合してスタートしました。それから開幕まで海外遠征や国内でも練習試合をしていき、色々と良い準備ができました。そして、選手たちも昨年を反省し、日本人と外国人の間にある壁のようなものを、自分たちで壊して、お互い歩み寄ろうという努力がありました。特にキャプテンのヘーゼルは、日本人の子を自宅に招いてディナーを振舞ったりしてくれました。ヘーゼルは普段とても寡黙で、サムライみたいな女性で、「とにかく私についてこい!」っていうようなプレーでチームを牽引するようなタイプなんですが、今年は積極的に日本人とグランド以外でもコミュニケーションを取ってくれました。このままじゃダメだと1年目で気付いたのでしょうね。お陰で凄く良い雰囲気でラグビーができました。本来私どもスタッフが壁を取っ払うように色々やるものですが、その点では楽をさせてもらえたなと感じています。
■来シーズンに向けての意気込みをお聞かせください。
-来年は追われる立場というか、他チームからはガッツリ警戒されると思うので、今年以上に頑張らないといけないですね。ただ、外国人選手も含め、ほとんどメンバーが替わらず来シーズンに臨めるので、今年優勝したという実績が、ヘッドコーチのエドウィンのラグビーを更にレベルアップさせて勝負できるのではないかと思っています。エドウィンは本当に引き出しを多く持っているコーチなので来シーズンに向けて、もう一段階ステージをあげたトレーニングを用意しているのではないでしょうか。
■最後に地域の皆さんに一言お願いします。
-今年は太陽生命シリーズが4大会ありました。各会場は、静岡、三重、東京、秋田と本当に長門から遠いところで開催されたのにも関わらず、多くの方が長門から現地へ応援にきてくださりました。凄く平凡で、ベタな表現ですが、本当に会場に来て応援してくださることが、一番私たちの力になるので本当にありがたかったです。心から感謝しています。
■ありがとうございました。来シーズンのご活躍も期待しています。