Iターンインタビュ スミダ商店・隅田たけしさん

今年1月7日、萩市笠山の風穴にオリジナルドーナツをメインとしたカフェ・スミダ商店がオープンされ、観光地ながらも観光客だけでなく、地元の方も多く足を運ばれる人気店となっています。今回の北浦うぇぶでは、高知県から移住してこられたスミダ商店の店主・隅田たけしさんにお話しを聞いてきました。

■隅田さんは高知県出身と聞きました。こちら移住されるきっかけをお聞かせください。
-高知では繁華街でバーを奥さんと二人で経営していました。新型コロナウイルスが流行り始めて、周りは「コロナに負けるな」を合言葉にこの未曾有の危機を乗り越えようとしていたのですが、これは結構長引くだろうし、いずれは輸入品などの価格も高騰していくだろうと予見して、何か他のことを始めた方が良いだろうといち早く考えていました。最初はバーを辞めてキッチンカーを始めようと、神戸のキッチンカーのフェスに視察に行ったのですが、ちょっとイメージと違っていたので断念。そこで、バー時代から始めていたYouTubeチャンネルを当時流行っていた移住系チャンネルに変更し、登録者、視聴回数への起爆剤になればと高知を出て田舎暮らしを求め移住先を探し始めます。全国色々と移住先を検討し、当初は岡山県新見市へ移住することを決め、古民家を購入する予定だったんですけど、トラブルが続き、3件続けて購入できずにいました。ちょうどその頃、萩市の定住総合相談窓口「はぎポルト‐暮らしの案内所‐」から内見の順番が来ましたと連絡があり、内見の予約をしてたつもりはなかったのですが、これも何かの機会だと、1件見るだけではなく、いっぱい見てみようと萩市に訪れました。高知県も山と海に囲まれた自然豊かで食べ物も美味しいところですので、移住するなら同じように自然豊かで食べ物が美味しいところへと考えてたこともあり、海も山もあって、良い意味でコンパクトな町に仕上がっている萩が気に入りました。また、移住先探しのため数々の市町村を旅してきたところ、過疎が進んでいるところは、地域を盛り上げようと空き家バンクなど定住推進部署は頑張っているのに、市役所というか全体がちょっと盛り下がっているようなところが多い印象でした。その点、萩市のはぎポルトさんはすごく活発で良い感じで、話もスムースに進んだので、それも萩へ移住を決めた大きな要因でした。

■チャンネルの方でも移住ストーリーがアーカイブされているのですね。
-はい。移住することを決めて、チャンネル名を「これがたけしの珍道中」に変更して移住地探しから物件決め、購入した古民家の掃除・リノベーションから山口県の観光などなど、動画にして載せています。

■移住してこられたのが2021年11月で、お店をオープンしたのが今年の1月とのことですが、それまではYouTubeの収益で生活されていたのでしょうか?
-いえ、収益は微々たるもので、最初は購入した畑付きの古民家で、農業しながら古民家カフェと民泊をしようと考えていましたが、当たり前ながら素人には農業は難しいうえ、トラブルも続いたので、購入した古民家での商売は据え置きすることとなりました。また、絵を書くのが好きだったので、デジタルで絵を書いてNFTマーケットで売ることも考えていましたが、出品するのに1点数万円かかると知り、それも断念します。そうこう紆余曲折してるとき、昨年の夏、笠山展望台にあった兀兀カフェさんが主催する笠山ボルケーノピクニックに出店しないかとお声がけいただき、スミダ商店という屋号で出店しました。それがきっかけで一時期は兀兀カフェに勤めていました。

■風穴でドーナツを売ることになった経緯を教えてください。
兀兀カフェで勤めていたとき、売上を上げるには改善していかなければと試行錯誤していたところ、萩にはミスタードーナツが無いのでドーナツなら注目を浴びれるのではないかと考えてました。しかしながらオーナーと意見が合わず、間もなくして兀兀カフェを辞めることになったのですが、ボルケーノピクニックから笠山を盛り上げようと活動していたので、この笠山で何かできないかなと考えていた時に、風穴の空き物件を紹介していただき、ここでカフェを開くことを決めました。その後、先ずはスミダ商店を知ってもらわないと店を構えてもお客が来ないだろうなと、はぎマルシェ、ブラたまち、萩ふるさとまつりや、明倫学舎のクリスマスイベントなどに出店しつつ、インスタグラムで情報発信をしました。そうして山口県を中心に近隣の広島県、島根県、福岡県のかたがフォローしてくださり、わずかな時間で2000人のフォロワーを集めることができました。フォロワーさんに今、萩で求められる飲食店は何ですかとアンケートを取ったところ、1位がラーメン屋で、2位がドーナツ屋だったので、風穴のカフェでラーメンも出そうかとも考え、製麺所検索してみたところ、近場に麺所がなく、こちらも保留となり、先ずはドーナツを提供するカフェをとなりました。

■なるほど、移住する前も移住してからも紆余曲折があったわけですね。店名をスミダ商店のままにしたのは何故でしょうか?
-今はドーナツが主な商品になっていますが、ミスタードーナツでもラーメンを出しているように、カフェでラーメンを提供しても良いと思っていますし、それこそ書いた絵も売れればなととも思います。また、原材料が高騰してきていることもあり、卵もそうですし、油や砂糖までも爆発的に価格が上がれば、ドーナツを作るどころではなくなってしまいます。そうなってしまったら、住んでいる明木の農家さんが作る米を使ったおむずび屋さんだったり、飼っている鶏の卵をつかって卵かけごはん屋さんだったり、業態を変化していかなければならないので、先々のことを考え、自由度を保持しておきたいので、スミダ商店のままにしました。スタンスとしては、売りたいものを売るのではなく、求められるものを売るという形ですね。

■販売されている「萩ドーナツ」についてお聞かせください。
-ドーナツに着目した時に色々なレシピで試行錯誤してみたんですけど、何が正解か分からないという結果になり、よくよく考えてみると、僕たちはミスタードーナツのドーナツしか食べたことないことに気付きました。昔のドーナツはベーキングパウダーを使い、ちょっとモッサリしたオールドファッションみたいなイメージだと思うんですけど、第3期ドーナツブームと言われる現在のドーナツは発酵酵母やドライイーストを使って、食パンみたいな食感のドーナツが人気あることを知り、今どきのドーナツってどのようなものかなと、広島の人気店2軒ほど視察に行って、それを元に試行錯誤を繰り返し、ふわもち食感の「萩ドーナツ」となりました。
また、注目し続けていただくため、新商品も1ヶ月に2,3個出していけるよう商品開発にも日々力を入れています。

■風穴に店舗オープンして、3ヶ月経ちました。手応えは如何でしょうか?
-1月はドーナツの製造に時間がかかり、また雪で営業できない日もあり、正味15日しかお店を開けれなかったのですが、1000人を超えるお客さんが来てくれました。風穴の冬場は結構しんどいよと出店前はよく言われ、軽く不安もあったのですが、その不安を払拭するくらいの売れ行きでした。とはいえ、事前にイベントなので、テストマーケティングできていましたし、クリスマスの明倫学舎でも1時間ぐらいで完売していましたので、風穴での店舗販売もいけるんじゃないかなという感触があったのも事実です。

■今後の展望をお聞かせください。
-現在、ドーナツが注目を浴びていますが、カフェのつもりで始めたので、今後はケーキとか、自家製卵を使ったプリンなどを販売していこうと考えています。アンケートでは、チーズケーキが人気だったので、萩チーズケーキみたいな感じで出来ればと思います。また、店内とネットで、僕が書いた絵をプリントしたTシャツや奥さんが作ったアクセサリーなどの雑貨も販売しています。こちらも注目してもらえるようになれば良いなと思います。

■ありがとうございました。

スミダ商店
山口県萩市椿東1189−740
📞 050-5485-5990
営業時間 11時~17時
営業日 土日祝営業。平日不定休(先ずはお問合せください)
サイトURL https://lit.link/sumidastore