夏の夜を彩ってきた萩の夏まつり。数年の時を経て、今年は「吉田町まつり」として新たな幕を開けます。この復活劇の中心人物である実行委員長・石橋和真さんに、開催に至る経緯や祭りの見どころ、そして未来への思いを伺いました。
――まず、今回「吉田町まつり」を新たに開催することになった経緯を教えてください。
石橋さん: もともと、8月2日・3日の夏まつりは地域の大きなイベントでした。しかし、今年も萩商工会議所としてはまつりを開催しないという方向性が示され、花火大会だけが行われる予定でした。僕たちが子どもの頃の思い出といえば、やはりあの3日間の賑わいです。特に3日の祭りがなくなるのは寂しい。「どうにかして3日を盛り上げたい」という強い思いが、今回の企画の原点です。
最初は有志を募り動こうとしましたが、流石に祭りを個人レベルで動かすのは難しい。そこで、私が所属している飲食組合(山口県飲食業生活衛生同業組合萩支部)や萩商工会議所青年部に働きかけ、「どうにかできないか」と相談したのが始まりです。幸い、4年前に「アオハル祭」を立ち上げ、昨年から青年部に主管を移行し萩夏まつり実行委員会の事業として開催したという経験がありました。同じように、この度は飲食組合で「僕が責任もってやりますので!」とお願いしたところ、飲食組合での承諾を得ることができ、この「吉田町まつり」を飲食組合の事業として開催することとなりました。
――数年ぶりの開催となると、ご苦労も多かったのではないでしょうか。
石橋さん: はい、課題は山積みでした。一番大きかったのは、資金と交通規制の問題です。祭りの中断期間が長かったため、警察の担当者も代わっており、かつての祭りを知る方がいない。交通規制の許可を取るための調整は少し不安がありました。しかしながら、コロナ前まで長きにわたり開催されてきた「萩夏まつり」ですので、経験者も実行委員会内におられ、アドバイスをいただきながら、しっかりと準備を進めることができました。
また、資金面では、協賛してくださっていた企業が倒産されたり、物価高騰で経費が膨らんだりと、厳しい状況にあります。そのような中、アイデアを出しながらカットできるものはカットして、何とか算段が付いた感じです。
そして今回は、的屋さん、飲食組合、キッチンカーが同じイベントに同時に出店するという、これまでにない試みにも挑戦しています。コロナ禍を経て、立場の違う事業者も「共存」していかなければならない。それぞれのエリアを分け、ルールを決め、お互いが協力し合える形を模索しました。これも大きな挑戦でしたね。
――青年部主催の「アオハルまつり」も会場を同じくして開催されるそうですね。
石橋さん: はい。実はアオハルまつりは、当初、明倫学舎での開催時間 18:00~22:00が決まっていました。しかし、吉田町まつりと別会場でやると、ステージ設営などの費用が二重にかかってしまいます。そこで「目的は、萩夏まつりにあった賑わいを復活させることであるなら、会場を一つにしてしまおう」と、急遽、吉田町と田町アーケードに会場を移すことを決断しました。これも苦渋の決断でしたが、限られた予算の中で最大限の効果を出すための選択でした。
――今回の「吉田町まつり」、特に注目してほしい見どころはありますか?
石橋さん: 目玉企画が2つあります。まず、市民参加型の「綱引き大会」です。お金をかけずに皆で盛り上がれるイベントは何かと考えた時に、百万一心(大玉転がし)か綱引きか、という話になり、「おしくらごう」のように、5~6人でチームを組んで競い合う、白熱したイベントにしたいと思っています。優勝チームには賞金3万円も用意していますので、ぜひ多くのチームに参加してほしいですね。
もう一つは、飲食組合が主催する「ビアガーデン」です。山口銀行の駐車場で、2日・3日の両日開催します。3,000円の前売りチケット(両日限定200枚)をご購入いただくと、開催時間中、生ビール、ハイボール、サワーがなんと飲み放題になります。お酒好きにはたまらない企画だと思います。
――出店ブースも賑やかになりそうですね。
石橋さん: 吉田町通りにはテキヤさんが約30店、山口銀行の駐車場には飲食組合の加盟店、そして居酒屋銀の前の通路あたりにはキッチンカーが出店します。全体で60店舗近くが集まる予定です。お酒を片手においしいものを食べ歩きしながら、祭りの雰囲気を満喫していただけると思います。
――最後に、萩市民の皆さんへメッセージをお願いします。
石橋さん: 祭りの準備を通して、一つのイベントを創り上げることがいかに大変で、どれだけ多くの人の協力で成り立っているかを改めて実感しました。これまでの萩夏まつりは、どこか「商工会議所頼り」になっていた部分があったかもしれません。でも、これからの祭りは、特定の団体がやるのではなく、「萩市民全員の祭り」として、みんなで創り上げていくものにしたい。それが、この祭りを未来へ繋いでいく唯一の方法だと信じています。
当日遊びに来てくださることはもちろん、準備を手伝ってくださったり、資金面で協力してくださったりと、関わり方は様々です。市民一人ひとりが主役になれる、そんな祭りを皆さんと一緒に創っていきたいです。この町を愛する若い世代が動きやすいように、皆で支え合える町であってほしいと心から願っています。今年の夏は、ぜひ吉田町まつりでお会いしましょう!
吉田町まつり
開催日 8月3日(日)
場所 萩市吉田町時間 18:00~22:00
