連載 むつみ豚と雨女 第20回

夏が来るたびに思い出すのだろうか、今年の夏の出来事を。
子が就学して以来、毎年思う。夏休みなんかなければいいのにと。ただでさえ忙しい盆前に子のどこかに連れてけだの、工作だの自由研究だの、もう無理無理無理。なぜ宿題の提出期限が 8月 18 日なのですかな?大人の事情ですかな?
まあ、それでも宿題を手伝うのは小学生までで、決してクオリティが高いとは言い切れない工作であろうと毎年何とか夏休みをしのいできたわけだ。
この夏の華麗なる計画。保育園児、元気に休まず登園。小学生組、スポ少と公文で文武両道。高 3 次男、インターハイに出場し、ママは応援と旅行で沖縄へ。長男、前期試験を無事にパスし、近年の課題であった養豚場周囲のイノシシ侵入防止柵設置を手伝う。
この夏の現実。保育園児、夏休みの兄姉がうらやましく登園拒否。小学生組、近寄ればケンカ。高 3 次男、インターハイ予選でズッコケて、沖縄は夢と終る。そして衝撃の長男、専門学校『自主退学』。
このコラムで長男の高校卒業後の様子を気にかけてくださる方もいる。彼は学校辞めましたよ!すっぱりと!
こんな時でもうちの社長は冷静で論理的。問題解決や、次へのステップをアドバイスする。一方でワタクシはギャンギャン怒鳴り散らし取り乱す。人様の息子なら『退学くらいで慌てなさんな。まだ19 歳じゃないの。いくらでもやり直せるさ』なんて言っちゃうかもしれないが、我が子となれば、『この子、これからどうなるの…まさか俗にいう自宅警備員ってやつに…』
落ち着け落ち着け。人生 100 年の時代、長男は何をやるにも人の二倍の時間がかかるが、きっと長生きするだろう。多くはないが素敵な友達にも恵まれている。自分にぴったりな仕事を見つけるだろう、と信じたい。
長男がいきいきと生きること。それがママの願い。