昨年10月15日、萩市江向にオープンした居魚屋おもしろき。「おもしろきこともなき世をおもしろく」をコンセプトに未開拓で萩の魚と、萩で採れた食材を中心に美味しく、カウンターメインでスタッフとお客様の距離感が近い楽しさを提供しているお店です。
この度の北浦うぇぶでは、居酒屋おもしろきのオーナーの植木浩二さんにお話しを聞いてきました。
■植木さんは「居魚屋おもしろき」を出店する前は、近隣の居酒屋銀の料理長をしていたと聞きました。先ずは植木さんの経歴をお聞かせください。
-中卒の15歳で飲食の道に入りました。最初は地元萩の飲食店で勤め、17歳で調理師免許を取得します。その後、長門市の飲食店で5年間ほど働かせてもらいますが、23歳の頃、一旦料理の道から離れ、5年間ほど遊技場のスタッフとして働きます。28歳に再び萩の飲食店で働き始め、その時、やはり自分は料理の道が合っているなと認識しました。その後、宇部市を中心に県内各所で居酒屋を展開する株式会社H&Nに入社し、下関市、山口市、宇部市のお店で働かせてもらいました。いつの頃からかはハッキリしていませんが、結構早い段階で「いつかは自分のお店を持ちたい。地元萩で出店したい。」という思いは持っていまして、H&Nの社長に相談すると「萩だけはやめておけ。」と言われ、思い留まっていた時期もありました。そして4年前に居酒屋銀のオーナーから「料理長をやってもらえないか」と声をかけてもらい、地元萩に新規オープンするお店の立ち上げに関わらせてもらえることは、先々自分のお店を地元に出すことを考えたとき、とても有益な経験を得れるなと、居酒屋銀の料理長の話を受けることを決心し、大変お世話になったH&Nを退社します。居酒屋銀では、メニュー立案だけでなく、コロナ禍での出店ということもあり、大変貴重な経験をさせていただきました。オーナーの顔が広いことで、全国的に飲食店がやっていけなくなっていたコロナ禍でも持ちこたえることができました。また、萩での居酒屋営業の戦略も試みることができ、今となっては居酒屋おもしろきの戦略ベースの構築に繋がっているなと大変感謝しています。そうして、資金の目途が立ち「いつかは!」と願っていた自らのお店「居魚屋おもしろき」の出店に至りました。
■お世話になったお店の目と鼻の先に出店するというのも面白いなと思います。この場所に出店された経緯をお聞かせください。
-居酒屋銀の目の前に出したいというわけではなかったのですが、やはりお店を出すなら中心街で、人目に入る場所で且つ、口頭で説明しやすい場所でないととは考えていました。いくつか候補となる物件はあったのですが、訊ねてみると既に入居が決まっているものばかりで、少しだけ苦戦しました。そのような中、知人に「実はあそこ空いているのよ」と紹介されたところが、おもしろきをオープンした場所になります。空き家として公に出ていないところでしたので、地主さんも積極的に誰かに貸すことを考えていなかった場所でしたが、一時期、料理の道を離れ、スタッフとして働いていた遊技場の場所も同じ地主さんで、当時の上司が「植木なら大丈夫ですよ」と後押ししてくれ、人目に入る理想とした場所でお店を構えることができました。こればかりは流石に「縁」を感じざるを得ませんでした。
■それでは居酒屋おもしろきのコンセプトやこだわりをお聞かせください。
-空間としてこだわっているところはオープンキッチンにしているところです。カウンター席をメインにして、料理を作っているところを見ていただき、お客さんとの会話はもちろんですが、スタッフ同士でワイワイしながら楽しい空間をお客さんと共有することを心掛けていますので、スナックのようなアットホーム感のあるお店としてご利用できるかと思います。また、料理の方では魚を中心とした地元で獲れる優良の食材であり、自分が今まで食べてきた中で一番美味しいと思った調理方法を用いて提供するだけでなく、エンターテインメント性をも品に盛り込めるよう心がけています。それらこだわりの根底にあるコンセプトは「外食を特別なものにする」というところにあります。外食することが、ただお腹を満たすものであれば大手チェーン店を選択した方がコスパやタイパは良いはずです。もちろん大手チェーン店をご利用される方を否定しているという話ではなく、外食を選択する理由として、日頃は、他では、味わえない、体験できないものをという行動原理が働くシュチエーションも必ずあるもので、そのような時「萩は選択肢が少ないよね」となってほしくはないという思いがあります。また、市外から訪れる方にとっても、「萩には個性的で美味しいお店がいっぱいあるよね。今度はあのお店に行ってみたいね」となった方が、交流人口も増え、萩市の発展に繋がるもの確かで、地元を愛する市民として、萩で飲食店を出店するものとして「居酒屋おもしろきだけにある特別」にはこだわっています。
■こだわっておられる「おもしろきだけにある特別」のメニューを紹介してください。
-先ず、オープン時のプロモーションでも前面に出しているメニューとして「旬の地魚藁炙り刺」があります。漁師さんから直接仕入れた新鮮な魚を、藁を燃料とした炎で炙って刺身にし、テーブルにお出しした後、お客さんの目の前で淡雪塩を散らすという演出も併せて提供しています。藁焼きするのも七輪ではなく、特注のロケットストーブで、より強い火力で炙り、視覚でも楽しんでもらえるようエンターテイメント性も一品に組み込んでいます。また「こんな食べ方もあるのか」というところにもこだわっていて、大根の唐揚げなど、馴染み深い食材をできるだけ尖らせ、ひとひねりし、シズル感を演出した品を考案しオンメニューしています。とはいえ、特注のロケットストーブなど、エンターメント性を、付加価値を高めるためには設備費にもお金がかかりますので、考案はしているものでも資金面でまだオンメニューできていないものもあり、準備が出来次第ひとつずつ名物となれるメニューを増やしていきたいなと考えています。
■オープンして3ヶ月半となりますが、今後の展望などがありましたらお聞かせください。
-今、話しましたように、考案した新しいメニューを1ヶ月に一品はリリースしていきたいなと考えています。また、オープンして3ヶ月半、先ずは地元の方に認知してもらえることに注力してきましたが、今後は、観光で萩に来られる方など、市外の方からも目当てにしてもらえるようプロモートしていこうと思っています。あと、萩はランチで選択できるお店が少ないという話は良く聞く話なので、余力が生まれるようであれば週1くらいランチも提供したいなと考えています。
■最後に読者の方へPRをどうぞ。
-繰り返しになりますが、居酒屋おもしろきでしか味わえない、体験できないものの提供にこだわっていますので、非日常を求めて是非ご来店していただきたいです。営業時間外でのご予約は公式ラインから、当日のご予約で営業時間内はお電話にてお願いします。
■ありがとうございました。
居魚屋おもしろき
萩市江向458-1
営業時間 18時~(フードL.O. 22時、閉店時間はお客さん次第)
店休日 月曜日
℡ 050-5463-7784