家族と家族の繋がりから生まれたお店 みなと食堂ととと 山本みゆきさんインタビュー

今年4月20日、萩市東田町にオープンした「みなと食堂ととと」。漁師さんからの直接仕入れた鮮度抜群の海鮮をふんだんに使った海鮮丼や海鮮定食を主に提供されるお店です。
この度の北浦うぇぶでは、「みなと食堂ととと」を経営する株式会社ライジングワイズ取締役・山本みゆきさんにお話しを聞いてきました。

■名刺を頂いて驚きました!株式会社ライジングワイズは長崎県五島市の会社なのですね。長崎県…更には離島の会社が、この萩に飲食店「みなと食堂ととと」を出すこととなったきっかけや経緯をお聞かせください。
-先ず、株式会社ライジングワイズの主たる事業は船舶販売修理業です。大型船ではなく、小型・中型の漁船や遊漁船などを取り扱っていまして、五島に工場を構え、沖縄を含む九州全域、四国、中国地方をメインとした西日本全域に顧客がおられます。そして、弊社の船の係留及び保管、展示場所として五島、福岡と並び萩があります。今回、萩での係留及び保管をお願いしていた業者のつながりで当店社員のご家族を紹介していただき、業務を委託したことをきっかけに萩での顧客や仲間が増えました。長年に渡る営業で培ったネットワークと萩の情報等を受け、日本海の海産物をメインとした飲食店を観光業が盛んな萩で出店するに至りました。

■なるほど。面白い経緯ですね。船舶販売修理業だからこそ漁師との繋がりがあって海鮮をメインとした飲食店となったわけですね?
-いえ、出店を決めた当初は飲食業をする前提ではありませんでした。私たちには3人の子どもがおり、長男はコンサルタント会社でサラリーマンをし、長女と次女は自営業をしています。子どもたちに萩に店を出すことを相談したところ、長女が手がけているペットフード事業や健康食材の商品の販売店を作る方向で進んでいました。しかしながら、途中からコンサルタントをしている長男の意向で「萩は観光地だから観光客を対象としたビジネスをするべきだ」「萩は漁場が近いから海鮮を使ったビジネスをするべきだ」と、いくつもの飲食店のコンサルをしてきた彼だからこその意見だったと思います。お店のコンセプトや店舗デザイン、メニュー構築、プロモーション等、全てを受け持ってくれるというので、長男に任せ、漁師さんから直接仕入れた海鮮を使った「みなと食堂ととと」を出店することになりました。

■それは更に面白いですね。確かに萩は観光地でありながらお昼を食べる飲食店が少ないと言われています。目の付け所は良いのではないでしょうか?
-良いかどうかはまだオープンして間もないのでわかりませんが、盲点というところでは人材確保というところです。飲食店の経験が薄い社員及びバイトスタッフですので、私も萩に住み付いて一緒に試行錯誤しながら頑張っています。

■「ととと」の由来をお聞かせください。
-地方によるかもしれませんが魚を赤ちゃん言葉で「とと」と言うところもあるかと思います。スナック菓子「おっとっと」も、お魚を「おとと」と言うところから商品名になったそうです。カマトトと言う言葉の語源も、カマボコがトトから出来ていることは誰でも知ってるのにそれを知らないフリをする人から転じたものですし、さかなの語源は「酒菜」からで魚がおかずとして使われるようになった江戸時代以降に「さかな」と呼ばれるようになったので、赤ちゃん言葉というより古くは魚のことを「うお」や「とと」と呼んでいたと思います。なので、皆さん直ぐにピンとくるのではと思っていました。あと、「とと」と表すときの漢字は「魚魚」と書くようで、魚をふんだんに使ったお店ということで「魚魚魚」(ととと)と決まったのですが、漢字で表記すると必ず「ギョギョギョ」と読まれる方がいるだろうとのことで、ひらがなで「ととと」となりました。

■そうなんですね!知識不足でした。山口県?中国地方山陰側?は赤ちゃん言葉で魚は「びーびー」だったと思います。そういえば、五島の魚も美味しいと有名ですよね。五島のお魚を提供されたりはするのでしょうか?
-確かに五島の魚も凄く美味しいですし、五島のものは置いてないのかと良く聞かれます。しかしながら五島から萩に魚を持ってくるとなると漁師さんが釣ってから届くまで2日以上はかかりますし、輸送費も高くつきます。鮮度、コストを考えると断然萩の魚を提供した方が良いです。ただ、鮮魚を鮮度保護シートで保護した上で真空でパックしマイナス60度の超低温冷凍機使用することで、鮮度と味と色合いが落ちないように処理した魚を定食の小鉢などに使っています。

■それでは提供されるメニューについて聞きたいと思います。
-はい。大きく分類すると丼と定食になります。名物として出しているのは萩の地魚を秘伝のタレでからませた「ととと丼」です。最初はそのままで食べてもらい、薬味を使って味変を楽しみ、最後は茶漬けで締めくくっていただけます。その他丼物には「萩の地魚海鮮丼」、萩沖でとれたイカを使った「イカまみれ丼」、かき揚げを世界遺産反射炉に模して3層に積み上げた「反射炉丼」、そして私の一押し「白い漬け丼」です。こちらは萩の醤油を使用した特性ダレに漬けた赤身魚に、長芋のとろろを合わせたオリジナル丼となります。定食の方はミニ刺身盛りと日替りの揚げ物が付く「萩をよくばり定食」をはじめに「煮魚定食」「魚フライ定食」「あら煮定食」「萩の地魚刺身定食」、そして、ミニサイズの「ととと丼」「海鮮丼」「しらす丼」「白い漬け丼」の中から1種類選んでいただく「ととと定食」です。定食には、それぞれ小鉢、味噌汁、漬物が付きます。あと変わり種として、かにみそが入った茶碗蒸しに、いくら、ホタテ、エビ、とびっこなどをトッピングした「冷製痛風プリン」が単品であります。こちらも長男の提案で、もちろん彼は痛風持ちです。

■萩の魚を使いながらも、萩の食文化とは少し違ったテイストのメニューばかりで目新しさを覚えます。それでは最後に今後の展望をお聞かせください。
-息子の提案を当てにして期待していたわけではありませんが、思った以上に観光客が少なく感じています。オープンしたてなので週末は忙しくさせていただいていますが、平日は驚くほど人がいないです。宣伝の方も息子の提案のままWEBサービスやSNSを中心にやっていますが、まだ広く知られてないと思います。漁師さんから直に仕入れているとはいえ、かなり価格設定を低くしているのもあり、このままでは赤字続出となりますので、7月からは夜の部も展開していきます。夜用のメニューも追加していきますし、夜の部のスタッフも確保しなければなりません。船舶販売修理業の方でも人材不足で悩まされることが偶にありますが、先ずは人材確保、人材育成ですね。

■ありがとうございました。

 

みなと食堂ととと
萩市東田町160 番1
☎0838-21-7230
営業時間 11時~15時
店休日 水曜日
インスタグラムQR
<7月よりの営業時間>
定休日→火曜日
月・水・木→11:00~15:00(オーダーストップ14:30)
金・土・日→11:00~22:00(オーダーストップ21:30)
金~日曜日は17:00より居酒屋形態のメニューになります。
ビールは瓶のみでしたが、準備でき次第 生ビールを提供。