大学進学を望む人に向けて発行されるパンフレット。萩市にある4年制大学・至誠館大学も毎年パンフレットを作成され、全国各地へ配布されます。
その至誠館大学パンフレット作成に誰よりも注力しているのが、至誠館大学の運営母体である学校法人菅原学園常務理事・菅原崇博さん。毎年、カメラを手にて宮城県仙台市から萩まで出向き、、パンフレットで使用する写真を自ら撮影されます。
この度の北浦うぇぶでは、菅原崇博さんに、パンフレット作成への思いから、至誠館大学についてなど、インタビューしてきました。
■至誠館大学大学案内の学生たちの撮影にかける思い等がありましたらお教えください。
-学校法人の経営は学生募集が要と言っても過言ではありません。その中でも学校案内の存在は様々な場面で受験生の目につく重要なツールであり、そこに使われる写真は責任を持って自分で撮る、引いては募集の責任は自分が取るというスタンスでいつも撮影しています。
私は自分自身が大学生の頃、通う大学の広報を担う学生団体に所属していました。オープンキャンパスなどで学生スタッフとして学校の魅力を高校生やその保護者に伝えたり、大学の学事の方と一緒になって大学パンフレットを作ったりしていたのですが、その際に当時の学部長から「大学案内というのは大学から受験生に送るラブレターなんだ!君たちは好きな人に贈る手紙に裏紙を使ったり、下書きも消さずに出したりしないだろう?」と言われてハッとさせられた経験があります。
今でもこの言葉は肝に銘じており、我々の手を離れて大学の魅力を伝えに受験生の手元へとゆく大学案内に楽しいキャンパスライフが想像できる最高の写真を盛り込もうと意識しています。
また、撮影の時間は学生たちの声を直に聞くことができる絶好の機会でもあります。撮影中、学生たちは「大学にこんな設備がほしい」「こんなことをしたい」という意見を忖度なしで私にぶつけてきますので、そういった声から大学をよりよくするヒントを得る貴重な場とも捉え、毎年楽しみに撮影しています。去年協力してくれた学生が1年経ってまた協力してくれると、成長が見られたりして嬉しかったりもします。
■菅原常務はカメラ・撮影に関する知識が非常に豊富だとお聞きしております。撮影で注意されていること、気にかけられていることは何でしょうか?
-至誠館大学の大学案内の撮影に限っていえば「演出しすぎないこと」です。
広報の材料となる写真の撮影ですので、ある程度の環境は整えたりしますが、例えば食堂で向き合って学生が会話しているカットや、実際にスポーツをしている学生たちには最初に「こういうところに使われるこういうカットを撮るんだよ」とだけ教えてあとは本人たちの自然な姿に任せます。写真を撮られ慣れている学生の方が少ないですので、こちらの注文が多いと不自然でいかにも「作り物」な写真になってしまいます。
また、今の学生たちはSNSなどで写真に対してものすごく目が肥えています。「これはヤラセだな」「これは加工でどうにかしてるな」なんてことはすぐに見破られてしまいますから、そこに噓偽りのない、なるべく純粋な学生たちの姿を切り取ることを撮影では最も意識しています。いい写真が撮れるかはモデルの学生ではなく、完全に撮る側の私の責任なんです。撮影した写真の選別・編集まで全て自分で行い、そのまま大学の様々な媒体にすぐ載せられる形で広報課にわたすまでが私の仕事です。
レストランでメニューの写真を見て注文したら実際にきたものを見てガッカリ、なんて経験をされたことがある方も多いかと思います。学生たちの一生に関わる進路決定において、それは絶対にあってはならないことです。大学案内やホームページを見て大学に来てくださる学生たちのイメージギャップをできるだけ少なくすることがとても重要であり、そのためにも「演出しすぎない」ことが大切だと考えています。
■至誠館大学に入学される生徒数は年々増えておられます。山口県萩市で大学を経営されることへの思いや難しさ、またこの北浦地域の良さや足りないこと等ありましたらお教えください。
-至誠館大学が所在する萩市は幕末の偉大な教育者である吉田松陰先生の生誕の地であり、明治維新胎動の地でもあります。そんな場所で教育を行うということに、地元はもとより、日本全国から多くの方々の期待と注目をいただいていることを日々痛感しています。
昨今の我が国の大学広報は「駅から徒歩〇分」か「緑豊かなキャンパス」の二つしか売り文句がないようにすら思えますが(笑)、至誠館大学は「緑豊か」で「深い歴史」のある萩の街の真ん中に位置しています。目の前には美しい海も広がっています。この環境だからこそ体感することができる幕末・明治維新の歴史、至誠館大学の多くの学生たちが取り組むスポーツに打ち込む環境が萩市にはあります。決してアクセスがよいとは言い切れませんが、「萩だからできること」の強みは数多くあると考えており、それが若い学生たちの世代にももっと訴求できないかと、これは大学案内を作りながらいつも考えているところです。
大変ありがたいことに、教育の場としてに限らず、地元萩市の皆様からは大学に通う学生たちの持つ若いパワーにも非常に高い期待を寄せていただいています。若者が地域に集まるということは地域の活力にも直結します。ただ、「大学の魅力」だけでは残念ながら今の学生たちは来てはくれません。4年間という長い時間を過ごす上で、大学のある街の魅力もまた進路決定の極めて重要な要因の一つなのです。地域の皆様を一緒に地元を盛り上げることもまた大学の使命であり、今後も地元から愛される大学づくりをしていくことが今後も最重要課題であると思っています。
■最後に、現在、至誠館大学で注力していることやアピールポイントをお教えください。
-大学に限らず、菅原学園全体を通じて「学校は楽しいところであるべき」という信念は常に持ち続けています。当たり前ですが、楽しくない学校に通いたいと思う人はいないはずです。通っている学生たちにとって楽しい学園づくりはこれからも推進してまいります。
決して大きな大学ではありませんが、学生と先生方との距離が非常に近く、アットホームな大学なのではないかと自負しています。学生が多くて先生に質問ができない、友達ができないという話は学内で聞いたことがありません。
大学案内を作る上でも、至誠館大学では多くの現役の学生たちが製作に協力してくれます。「こういう情報がほしい」「この情報は高校生は見ない」など、当事者の目線で素直な意見をぶつけてきてくれるので本当にありがたい限りです。撮影する学生たちも皆、「来年入ってきてくれる後輩のために」と目を輝かせて協力してくれます。先ほど地域の皆様と共につくるという話もしましたが、そうやってまさに全員野球で成り立っている大学です。大学案内の写真からそんな我々の空気感を感じ取りながら、大学の門を叩いてくれる受験生の方々が増えてくれたら大変ありがたいなと思っています。
