地域課題の緩和を目指してキッチンカーを走らせる! キッチンカー「おはぎ」 石光稚葉(わかば)さん・柴川美和子さん インタビュー!

免許返納など買い物困難民がいる地域へキッチンカー「おはぎ」を走らせ、お弁当、惣菜、おはぎなどを販売しつつ、独居の方の安否確認という地域の見守りも兼ねた事業を、今年2月から始められた石光稚葉さんと柴川美和子さん。超高齢化社会の最先端をいくこの北浦地区が抱える地域課題の緩和も見込まれ、市民だけでなく行政からも期待される2人です。
この度の北浦うぇぶでは、キッチンカー「おはぎ」創設の経緯、オープン1ヶ月後の手応えや感想、そして今後の展望をお二人に聞いてきました。

■先ずはキッチンカーを2人で始めることとなった経緯をお聞かせください。

石光-元々2人でキッチンカーをやろうねというわけではなかったんです。福祉施設で働いていて、一人暮らしで買い物難民のご高齢の方が困っているという話は良く聞く話だったのですが、週1移動販売で食材をまとめて買っていても、夏場に傷んでしまったものを食べて救急車で運ばれることになった人の話や、更にはこんな豊かな時代なのに餓死する方もいると聞き、驚き、何とかできないものかと考えるようになったのが事業を立ち上げるに至ったきっかけの一つです。また、知り合いの運送会社の方を通じて、規格外野菜の廃棄の話を聞き、食事に困っている方に、規格外野菜を使った料理を届けることができれば、配達を兼ね見守りもできるのではないかと、デリバリー専門の弁当屋をやりたいなと思うようになりました。とはいえ、3人の子どもを育てる母として、夫と一緒に家庭を守っていく身としては、いきなり大きなチャレンジはできない。コロナ禍で閉店する飲食店を見てきましたので、本格的な厨房施設を備えるだけの投資はかなりリスキーだなと感じ、配達、地域循環ができ、調理もできるキッチンカーならリスクを抑えスタート出来るのではないかと、先ずはキッチンカーで事業を立ち上げることを決めました。その後、前職を辞め、開業準備に取り掛かるタイミングで、短大時代の親友である柴川と4年ぶりに再会して「キッチンカーを始めるんだ」と伝えると、「私もやりたい!」と言ってきてくれたので、今年1月、会社設立時に、柴川には山陽小野田市から萩に移住してもらいました。

■柴川さんは、萩に移住して来るまで山陽小野田市で何をされていたのですか?

柴川-短大卒業後、地元・山陽小野田市の福祉施設で栄養士として6年間ほど働いていました。人生は1度しかないから他の世界も知っておきたいと、昨年、福祉施設を退職し土木工事施工管理業者に転職しました。そうして昨年9月に、石光から「キッチンカーをやる!」と聞き、元々キッチンカーをやってみたいと思っていたで、居ても立っても居られず、忍びない気持ちでいっぱいでしたが、転職したばかりの会社を辞めさせてもらい萩に移住してきました。

■キッチンカーが動き始めて1ヶ月が経ちました。手応えはいかがでしょうか?

石光-SNSでアンケートを取って、来てほしいという要望が多い地域を回っています。月曜日はむつみ、火曜日は越ケ浜と大井、水曜日は明木と川上、木曜日は福栄と紫福、金曜日は玉江と倉江と三見を回り、平日の夕方は萩市中心部のどこかにいて、週末はイベントなどに出店しています。大変有難いことに、どこへ行っても温かく迎い入れてくださり、キッチンカー「おはぎ」が来るのを楽しみにしているとの声も聞きます。訪れると地域の人が集まるちょっとした集会にもなっていて、商品を買ってくださるだけでなく、私たちとの会話も楽しみにしてくださっていて、私たちもまた、地域の方々とのコミュニケーションを楽しませてもらっています。また、お陰様で、SNSのアンケート以外でも、いくつかのニーズを届けてくださり、事業の拡大が見込めるのではないかと期待を膨らませています。思わぬところでは、一人暮らしの方や買い物難民の方ご本人ではなく、遠方に暮らすそのご家族から「配達ついでに親の様子を教えてほしい」というご要望もあったことです。あと、お昼はおかずを一纏めにしたプレートが出るのですが、夕方は惣菜の売れ行きが良いです。私も子育て世代なので、働きながら夕食の準備の大変さは痛感していて、大手チェーン店のテイクアウトは栄養的にどうかなと思ったり、スーパーの総菜を買うのも良いけど、行っても売切れになっている場合もあったり、レジに並ぶ時間も惜しく感じたりしますので、忙しいお母さんにとってはSNSで確認して、サッと購入できるところがウケているのだと感じています。

柴川-1ヶ月と聞くと、もう1ヶ月経ったんだとも、まだ1ヶ月しか経ってないんだという正反対な感情が混同しています。それだけ、充実した日々を送っていますし、フル稼働で働いている分、会社員の生活と比べると大幅に仕事に費やす時間が増えているからだと思います。そして、キッチンカーでの営業を1ヶ月してみて、とにかく楽しいのは色々な方とお話しができることです。萩に来て間もないので、全ての出会いが新鮮です。そして何よりも萩の方は、移住者の私をとても温かく迎え入れてくれるので、実は人見知りだということが気付かれないくらい、いっぱい会話をするようになりました。

■逆に大変なことやネガティブなことなどは?

石光-実際にキッチンカーを稼働してみたら、やっぱり専用の厨房が欲しいなと感じました。仕込みから盛り付けまでの全てをキッチンカー内でやっていますので、作業効率も低く、いくら需要が増えても最大供給数が少ないのが苦しいところです。利益をあげて厨房を構えるだけの資金を得れればとは思いますが、一人暮らしの買い物難民の方へのサービスというのが設立コンセプトにありますので、利幅を大きくすることができず、ちょっとしたジレンマも感じています。高いお金を払える方は買い物難民にはならないですからね。

柴川-地域を回り、色々なところへ出向けるのは良いのですが、その分ガソリン代がかかってしまいますし、移動時間は生産できないところに、少しもどかしさを感じます。

石光-あ!あと柴川が倒れないかって心配しています。この人、人が良いというか、頼まれると断れない性格で、萩に移住してきてからになるのですが、地元小野田でお世話になっていた方から人材不足で働いてくれないかと頼まれ、キッチンカーの仕事を終えた後に、小野田へ行き、夜中にバイトして、朝に萩に戻ってくるといった生活をしているです。朝ラインをしても既読が付かないときはほんと焦ります。

■今後の展望についてお聞かせください。

石光-先ずは継続できるように黒字化、安定経営を目指したいと思います。現状では、曜日ごとに地域に出向いていますが、ご自宅や職場などへの直接配達も増やしていきたいですし、子育て世代のお母さん向けに、習い事の送り迎えの場で販売していきたいなと考えています。塾やスクール運営をされている方で、来ても良いよという方が居られましたら、是非ご連絡いただきたいです。あと、規格外野菜をもっと使いたいです。廃棄してしまう野菜を取りに来てほしいという農業事業者の方がおられたらご連絡いただければ有難いです。また、現在、出張キッチンカーとは別に、料理提供のオファーもいくつか頂いていますので、可能な限り応じて、少しずつでも事業を拡大していき、困っている方を一人でも多く助けることができる存在になりたいです。

柴川-もっと萩のこと、萩に住む人のことを知りたいです。市民の皆さんや社協さんと情報交換しながら、より困っておられる方の助けになりたいです。その為には、「おはぎ」の存在をもっと知ってもらう必要があるかなと思います。3月16日(本号発行日)には萩マルシェに出店しますので、ご来場の際には是非声をかけていただきたいです。

■ありがとうございました。

キッチンカー「おはぎ」
☎ 090-8167-3567
インスタQR
公式ラインQR